中高年からのNISAは厳しいのか

株式投資

中高年からのNISAは厳しいのか

皆様は「中高年からのNISAつみたては厳しいのか」と考えたことはありますか⁉
実際のところ、考え方次第だとは言えますが、短期間に収益を上げられると考えている方には、すごく厳しい課題だと思います。ただし、長期的な運用を視野に入れている方にとっては、有効な手段だと思います。
例えば、ある程度積立を持続した後に月々20万円を引き出しても元本を減らさずにいられる金額を算出した場合、いくらの元本が必要だと思いますか?

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月々20万円を引き出せるまで

NISA積み立てで得た利益から、毎月平均的に200,000円を引き出せるようになるためには、まず、1年間の引き出し額が240万円になる事は想定できると思います。

200,000円 × 12ヶ月 = 2,400,000円

年間引き出し額が 240万円になるためには、年間リターン率の良いインデックスファンドを選ぶ必要があります。

この記事では人気のある代表的な、S&P500の 年平均リターンを考慮して、必要な元本を計算してみたので参考にしてみて下さい。

ここ数年(2017年から2024年)までのS&P500の平均年間リターン率は約15.19%となっていますが、これからもこのリターン率が断続されるとは限らないため、期待値を上げすぎない方が良いと思います。

そのわけは、S&P500の長期的な平均リターン(1926年から2024年)までの、過去の年平均リターンは約7%とされています、そのため、この記事では少し保守的すぎるかもしれませんが、平均リターンを5%で計算していきます。

年間引き出し額の240万円に5%のリターンで計算した場合、約4,800万円の元本が必要となります。

2,400,000円 ÷ 0.05 = 48,000,000円

これはあくまでも 大まかな予測であり、実際の運用結果は市場の状況や投資期間によって異なる可能性がありますが、約4,800万円の元本が必要です。

これは引き出し額を含めた運用益を考慮した計算であり、元本の4,800万円以上あれば、年間240万円を引き出すことが出来る計算となります、つまり原則として4,800万円を割らないように維持しなければなりません。

とは言え、中高年でそこまで資金力のある方であれば、投資をしなくても十分な資金力がある方と言えるのでNISAの活用は必要ないかもしれませんが、0.1%程度の銀行に預け入れているよりは、長期的にみると お得だとは思います。

NISA枠のみで4,800万円に到達するまで

NISAの最大上限が1,800万円であるため、4,800万円に達するまでには約20.5年かかる計算になります。

まず、年間360万円を投資し続ける場合、1,800万円の上限に達するまでに毎月30万円を5年間かけて投資をしてやっと到達する事になります。

1,800万円÷360万円=5年

次に、1,800万円を元本として、年平均リターン5%で運用した場合の計算をします。福利効果を考慮して計算してみましょう。

例えば、1,800万円に到達後 5%の利率でほったらかし運用していくと、1年後からは1,800万円 × 1.05 = 1,890万円になります。これを毎年平均リターン率5%のみで運用を繰り返すだけで、元本が増えていく計算になります。

[1,800万円に到達以降]
1年目:1,800万円 × 1.05 = 1,890万円
2年目:1,890万円 × 1.05 = 1,984.5万円
3年目:1,984.5万円 × 1.05 = 2,083.725円
4年目:2,083.725円 × 1.05 = 2,187.911円
5年目:2,187.911円 × 1.05 = 2,187.911円

このように、毎年5%の利率だけで増えていくため、4,800万円に達するまでの年数を投資金なしで運用することができます。

あくまでも毎年5%の利率かつ、最短で算出したシミュレーションではありますが、約20年以上かかる計算になります。

これがNISAを始めるには、『若ければ若いほど有利だ』と言われる理由です。

年金の足しに35,000円を引き出せるまで

年金の足しに 35,000円 を,毎月引き出す程度まで積立をしたいと考えた場合は、年間の引き出し額として42万円になります。

年間の引き出し額を: 35,000円 × 12ヶ月 = 420,000円

42万円に、S&P500の年平均リターンを5%と仮定して、必要な元本を計算すると840万円になる計算になります。

420,000円 ÷ 0.05 = 8,400,000円

そのため、約8,400,000円の元本があれば、月々35,000円を引き出しながら元本を維持することができる事になります。

840万円を月々5万円の投資をしていった場合、上記で算出していった方法から導き出すとすると、約11年近くかかる事になります。

1年目:5万円 × 12ヶ月 = 60万円×1.05=63万円
2年目:63万円 + 60万円 = 123万円×1.05
3年目:1.291.500円 + 60万円 = 1.891.500円×1.05

11年目:7.924.072円 + 60万円 = 8.524.072円

月々1万円くらいを引き出せるまで

月々のつみたてに5万円は厳しいという方もいると思います。
『せめて2万円の投資額で月々1万円くらいを引き出せる様になりたい』という方で『何年かかるかを知りたい』という方は、以下を参考にしてみると良いと思います。

1年目:2万円×12ヶ月=24万円×1.05=252.000円
2年目:252.000円+24万円=492.000円×1.05=516.600円
3年目:516.600円+24万円=756.600円×1.05=794.430円

8年目:2.051.785円+24万円=2.291.785円×1.05=2.406.375円

10年目:2.778.693円+24万円=3.018.693円×1.05=3.169.628円

この計算により、約240万円の元本まで投資できれば年間で12万円の利益が出る計算になるので、約8年かかる事になります。10年間は投資を続けられた場合は、15万円となり、月ごとに12500円程度引き出せる事になります。
※:ただし、必ずしも計算通りにいくとは限らないため、あくまでも参考程度にしておいてください。

50歳代からのNISA

投資資金が少なく年齢的にも50代くらいからNISAを始めても、働き続けないといけないという点では、お得感はあまりないと思うかもしれません。

50代からNISAを始める場合、元本を増やすための時間が限られているため、毎月の引き出し額を大きくするのは難しいと言えるでしょう。

ただし、NISAは税制優遇があるため、投資の利益が非課税になる点は大きなメリットです。また、投資を通じて資産を増やすことができるため、定年後の生活に役立てることが可能と言えます。

中高年にとっては投資期間が限られていることから、一見難しいと感じるかもしれません。しかし、長期的な視野を持つことが、老後の安心を手に入れる事が出来るでしょう。

まとめ

・月々20万円を引き出すためには約4,800万円の元本が必要です。
・年金の補填として毎月35,000円を引き出すためには、約840万円の元本が必要となります。
・若い時期からNISAを始めることで、より長期間にわたって運用を行い、元本を増やすことができます。
・中高年がNISAを始める際には、短期間での収益を期待せず、長期的な視野を持つことが重要と言えるでしょう。

NISAを利用した投資戦略を有効活用して、より良い生活が出来る様になれるとさいわいです。


以上『中高年からのNISAは厳しいのか?』の記事を終わります。

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